もうけることは悪いこと?
前置きが長くなりましたが、改めまして。「数字は苦手」「会計の話はよく分からないので、できれば避けたい」……、そんな声を、私が講師を行う企業研修でよく耳にします。でも、大丈夫。会社の会計は、全然難しくありません。先にも述べましたが、
売上-コスト=利益
会社の会計とは、実にシンプルなこの式で表されます。「こんなの当たり前!」、ですよね。
でも、この当たり前をいかに守っていくか、そのために大企業も中小企業も、すべての会社が日々腐心し、活動しています。企業に勤める皆さんの日々の業務もすべて、この式に集約されていくのです。
まずはこんな話から始めましょう。「もうける」という言葉から、皆さんは何を思い浮かべますか? なんとなく悪いことというイメージを持つ人や、金銭に関することを人前で口に出すのははばかられるという人もいるかもしれません。
しかし、会社の場合には、「もうける=利益を出し続けること」は、その責任を果たすことを意味します。なぜなら、利益を出し続けなければ、会社はどんどん縮小して、継続できなくなってしまうからです。
「継続できない=倒産する」ということは具体的にはどういった事態を引き起こすでしょうか? 倒産した会社に対して、消費者として関係していたならば、製品やサービスを購入したり利用したりできなくなります。その会社で働いていたならば、職を失うこととなり、次の勤め先を探さなくてはなりません。また取引先、金融機関、投資家など、さまざまな関係者が影響を被ります。場合によっては、取引先も倒産してしまうかもしれません。
会社を起こしたからには、企業体として存続させることが責任となります。そして利益とは企業が存続するための必須条件であるのです。
では、「会社が利益をどれくらい出しているか」はどうしたら分かるのでしょうか。