会社の数字は、健康診断の数値のようなもの繰り返し行った、仮説を立てるトレーニング
財務状況は、その会社の基礎体力をはかる“健康診断”みたいなもの。明らかにされたデータを見れば、会社が元気かどうかは一目瞭然です。不健康だと従業員が元気になれないし、利益も出ない。健康なときもあれば病気のときもある。大手術が必要になることもあるでしょう。だから何かあったときのための貯金が必要です。経営がカツカツになると立て直すのはとても大変で、お金では解決不可能になります。これは、会社の立て直しを図る経営支援会社に勤務していた時期に痛感したことです。
私が本格的に数字にかかわるようになったのは、大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券の調査部に入社してから。「会社の数字」を見ることが、仕事の一部になりました。証券アナリストの仕事は、財務分析だけでなく、分析対象としている企業の将来性を見極め、その株価の評価をして投資家へ推奨します。
黒字だから大丈夫かというと、そうともいえない。キャッシュ・フローを見ないと安全に経営されているかどうかがわからないし、単年度の数値だけでは正確に判断できません。そこで関係者に入念な取材をして、投資家への調査リポートを英語と日本語で作っていたのです。
●結論を先に!
●要点はBullet Point(箇条書き)で書く。
●取材、分析をもとに仮説を立てて検証し、その結果を簡潔に伝える。
●数字は自分の仮説をあくまでも裏付けるためのもの。