マタハラ経験者は28.6%

自分自身、マタハラを経験したという人は28.6%。雇用形態別に見ると、正規が34.9%、非正規が24.4%となっている。具体的なマタハラの内容としては「妊娠・出産がきっかけで、解雇や契約打ち切り、自主退職への誘導などをされた」が最も多く、他には「妊娠を相談できる職場文化がなかった」「妊娠中や産休明けなどに心無い言葉を言われた」「妊娠中・産休明けに残業や重労働などを強いられた」「妊娠・出産がきっかけで望まない異動をさせられた」……などが続く。

マタハラが起こる原因は何だと思うか、という問いもある。最も多かったのは「男性社員の妊娠・出産への理解不足、協力不足」で(67.3%)、以下「職場の定常的な業務過多、人員不足」「女性社員の妊娠・出産への理解不足、協力不足」「フォローする周囲の社員への会社の評価制度整備や人員増員などのケア不足」などが続く。

マタハラが起こらないようにするための対策についても聞いている。「休業・復帰しやすくなる制度や会社にとっての負担軽減、または制度に関する会社の理解促進」「育児に携わった女性のマネジメント・経営陣への登用(理解者を増やす)」「行政による保育園や学童保育制度の改革」「職場での適切な人員補充」「育児に携わった男性のマネジメント・経営陣への登用(理解者を増やす)」などの回答が並ぶ。

出産退職希望者はすでに少数派? ――「働きながら子育てをしたい」88.3%

出産のタイミングで会社を辞めて家庭に入る女性は多いが、その意識も大きく変わりつつあるようだ。「女性が働くことと子育て」という問いでは、「自分の希望として働きながら子育てをしたいと思う」と回答した人が最も多く51.4%、次の「経済的な理由で働きながら子育てをしなければいけないと思う」(36.9%)と合わせると、実に88.3%が「働きながら子育てをしたい」と答えている。「仕事はやめて子育てをしたいと思う」は7.0%と1割以下だった。

実際に働きながら子どもを育てるためには、“子どもを預ける環境“が必要になる。「保育園や学童保育など子どもを預ける環境が仕事選びやキャリア形成に影響した/すると思いますか?」という質問では、「影響がある」と答えた人が93.4%。具体的な影響としては「時短制度など働き方に変化があった」(50.2%)、「仕事を辞めざるをえなかった」(32.6%)、「雇用形態を変えざるをえなかった」(30.1%)がトップ3となった。

保育園の入園審査条件についても尋ねている。現状では母親の労働時間や月の勤務日数などの点数で評価されるため、パートなどフルタイム勤務でない人は入園に不利になりやすいが、これについて「保育園がなければ働けないので、フルタイムの勤務でなくても入園に不利にならないようにしたほうが望ましい/するべき」と答えた人は69.9%。「労働時間の長さなどで入園審査の点数に差が付くのは仕方ない」20.3%を大きく上回った。

また、埼玉県所沢市在住の女性が2人目の育休をとると1人目の保育園退園を迫られたことを訴えたことについて、「2人目の育休で退園ルール」があることは「2人目を産むのを躊躇するきっかけになると思う」と答えた人は59.9%。「2人目育休中の退園をさせるならば、必ず戻れるなどのルールをきちんと作るべき」「保育園の定員を増やしてほしい」「2人目を産むにあたり職場を辞めるきっかけになると思う」といった意見も多かった。夫婦2人から生まれる子どもが2人以上でなければ少子化は止められないが、親は2人以上欲しいと思っていても現実にはひとりっ子、という家庭は多い。少子化対策という観点ではこうした保育園のルールにも目配りが必要と言えそうだ。