[キャリアコース1]ずっと正社員

生涯年収(管理職コース):2億3243万円(うち退職金1588万円)年金:16.7万円/月
育休後、復帰して管理職に昇進し、65歳まで働いた場合。一般社員のまま定年を迎える場合でも、退職金を含めた生涯収入は1億7000万円に。

※正社員女性56.0%が「理想の働き方」と回答

●転職市場が熱い!

「都市部では20代後半~30代前半は売り手市場で、特に営業職は引っ張りだこ。不動産関係など、お客さまの対応という分野で女子力が求められています。“ドケジョ”という言葉が出てくるほど土木系の仕事も増えています」と金澤さん。女性向けの転職サイトも複数立ち上がり、「ビズリーチ・ウーマン」などは1年前と比べ、会員数が3.5倍に。管理職候補の人材は引く手あまたとか。

●ベビーシッター代は投資と思って

仕事を続けた場合と辞めた場合では生涯収入は雲泥の差。「キャリアは長期的な視点で考えましょう。仕事を続けるためのベビーシッター代や介護施設費用など目先の出費は投資と思っていいのでは」(大竹さん)。ベビーシッター代も介護施設の費用も、ずっと続くわけではない。一時的に家計がマイナスになっても、働き続けることで稼げるお金で十分カバーできるはず。

●管理職に向き・不向きはない!

「管理職に向き不向きはありません。女性のほうが目の前にいる部下の変化を見逃さなかったり、多様なメンバーをまとめるのが上手なことも。私は、『MBAよりPTA』と言っていますが、学歴も価値観もまるで違う人々をまとめるような貴重な経験を積んだ女性には、ぜひ管理職を目指してほしい。自分の仕事や時間をコントロールしやすくなるメリットもあります」(金澤さん)

●アーリーリタイアは?

重要なのは、アーリーリタイアをして何をしたいか。「世界を旅したい」などという人も多いが、実現できるのは相続で資産がある人など、一部に限られる。「退職時に3000万円あっても、それで5年しか暮らせない人と30年暮らせる人がいます。どう過ごすかでお金のかかり方は違ってくるので、まずは退職後に必要なお金を見積もって足りるかどうかを考えてから決断を」(大竹さん)

●退職金はいくらもらえるの?

勤続年数が長くなるにしたがって退職金も増えるが、支給額は企業ごとに退職金規定などで定められているため、同じ勤続年数でもかなり差がある。上のケースでは、日本経団連のデータを参考に試算。管理職になって退職する場合は、月収40万円×39.7カ月=1588万円。ずっと一般社員で定年を迎える場合で、月収22万円×39.7カ月=873万円。いずれも勤続年数は35年。