メットライフのシニアバイスプレジデントと、グローバルチーフD&Iオフィサーを兼任する、アルゼンチン出身のエリザベス・ニエト。2014年には『Diversity Global』誌のダイバーシティ部門トップチャンピオンの1人に選出され、世界を牽引する彼女が、日本のD&Iの行方を語ります。
最近、日本でも注目される企業のダイバーシティ推進。海外では多様性の確保(ダイバーシティ)だけではなく、それを受け入れ、生かす包摂(インクルージョン)もセットで語られる。
世界標準のダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)は今どのようなフェーズにあり、日本の課題はどこにあるのだろうか。メットライフ シニアバイスプレジデントで、前職のCitiグループにおいても過去10年以上に渡り、D&Iに尽力してきたエリザベス・ニエトに話を聞いた。
「現在所属しているメットライフは約50カ国に6万8000人の従業員を抱える大きな組織です。こうしたワールドクラスの企業にとって、ダイバーシティへの取り組みは非常に大きな要となります。なぜなら多様な人材の育成は、新たなビジネスを生み出すことにもつながるからです」
日本では、安倍政権の女性活躍推進路線を受けて、管理職目標などを定めながらも、なぜダイバーシティが重要なのかが「腹落ち」していない経営者も多い。グローバルな視点でD&Iを推進する経営者たちは、その必要性、特にダイバーシティについて、どのように考えているのだろうか。