【佐藤】私は結婚して2歳の子どもがいるのですが、前職の老舗日本企業のオジサンたちがまさにそうでした。彼らはみんな専業主婦の奥さんがガッチリ家庭を守っているから、女は子を育て、家事をし、家を守るものと思い込んでいる。だから、悪気なく「よくやるよね。女の子なのに」なんて言えちゃうんです。
【白井】でも、日本の大企業は制度は充実していますよね?
【佐藤】ええ。制度だけはバッチリ。短時間勤務(時短)で復帰した女性なんか、腫れ物にさわるような特別扱いでした。
【白井】わかります。会社は時短の女性に気を使う一方で、責任ある仕事は絶対に任せませんもんね。
【大谷】「責任ある仕事」でも単純に量を少なくすれば、時短の人にもできるのに。
【白井】つまり、ワークシェアですよね。でも、その方式だと管理する側が、面倒くさがる。
【佐久間】そもそも男性管理職は、女性を管理したがらない。何を考えているかわからず、面倒くさいから。だから、私は女性社員ばかり管理させられていました。
【金谷】佐藤さん、子育てしながらのフルタイム復帰は大変じゃないですか?
【佐藤】私は昔から、子どもを産むと、なぜ女性だけがキャリアを犠牲にしなければいけないの? と思っていたので、フルタイムでの復帰にこだわりました。でもやっぱり大変で。延長保育を利用しても、夜7時半までがお迎えのデッドラインです。だから、仕事は超効率的にやるしかない。そんなこんなでクタクタになっているとき、夫が遅くまで残業したり、飲み会に行ったりすると、腹が立って。夫は「家族のために残業している」と大威張りだけど、残業できる自由を与えているのは私でしょって。