1品より2品、2品より3品のほうが成績がいい

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「品数が多い」ほうが好成績。※「熊本県学力調査」(2005年12月)をもとに編集部作成。

成績を上げたければ、しっかり朝食を食べさせることが重要だ。ただ、とにかく食べさせれば何でもいいというものではない。香川先生は、その理由を次のように解説する。

「栄養バランスの取れた食事でないと、体内の末梢時計は正しくリセットされません。ネズミを使った実験では、炭水化物だけ、あるいはタンパク質だけのエサでは末梢時計を正確に調整できませんでした。炭水化物とタンパク質を交ぜると改善しますが、最も正確に体内時計をリセットできたのは、栄養バランスが取れたエサを与えたケースでした。これは人間も同じ。トースト1枚、おにぎり1つといった軽い朝食ではなく、栄養バランスの取れたメニューにするべきです」

それを裏付ける次のような調査もある。熊本の小学5年生を対象に朝食メニューと学力の相関を調べたところ、最も点数が低かったのは「何も食べていない」と回答した子供たちで、400点満点中216.7点。注目したいのは、朝食を食べてきた子供たちだ。朝食が「1品」の子供たちは230.0点、「2品」は252.5点、「3品以上」は262.8点というように、品数が増えるにつれて点数もアップしている(「熊本県学力調査」2005年実施)

理想のメニューはアメリカン・ブレックファースト

栄養バランスが取れた食事といっても、具体的にはどのようなメニューをイメージすればいいのか。香川先生が例としてあげるのは、ホテルでよく見かけるアメリカン・ブレックファーストだ。

「ブドウ糖を補給するためのパンに、卵がついて、ハムやベーコンなどのお肉もある。さらに野菜、ミルクやジュースもついて、栄養バランスがすばらしい。ここから卵を抜くとコンチネンタル・ブレックファーストになりますが、それでもバランスは悪くない。もちろん和風定食だっていい。おみそ汁にはアミノ酸が入っているし、タンパク質も取りやすいです」

とはいえ、忙しい朝の時間帯にそれだけのメニューを用意するのは正直にいって難しい。もっと上手に手抜きをする方法はないだろうか。香川先生は、「冷凍食品や缶詰を使ったり、手間をかけずに調理する工夫を」とアドバイスしてくれた。

「豆の水煮の缶詰を使えば、簡単に『卵と豆のサラダ』をつくれます。また、冷蔵庫の残り飯やカット野菜があれば、『キムチ雑炊』もさっとつくれるでしょう。慌ただしくてキッチンで火を使う余裕がないという人は、『ココット』もいい。耐熱容器に卵を割り入れて電子レンジで加熱するだけなので、じつに手軽です」

このほかにも、和風ツナサラダやピザトーストもおすすめだ。最後に、今年81歳になる香川先生自身の朝食についても聞いてみた。

「おかずはひと手間かけますが、そのほかは冷凍ご飯を温めたり、電気ポットのお湯でレトルトのみそ汁をつくったりとうまく手を抜いています。いまもこうして元気に授業ができるのは、毎朝きちんと食事をつくって食べているからでしょうね」