長男の言葉が唯一の救い
現在、木島さんは、新たなパートナーとの間に生まれた長女の子育てに、日々、新鮮な喜びを感じている。長男のときとは違い、日々の成長や小さな変化をじっくり味わう余裕も生まれたという。
「娘には絵本をたくさん読み聞かせていますし、言葉が増えたり、会話ができるようになったり、成長の一つひとつがうれしくて。でも、だからこそ息子のときはどうだっただろうと考えてしまうんです。あの頃は必死で、成長の過程もほとんど覚えていない。申し訳ない気持ちは、今も消えません」
そんな木島さんに、中学1年生になった長男は「ママは働いていたほうがいいよ。楽しそうだから」と言ってくれるという。
「その言葉が、私にとっての唯一の救いです」
「誰よりもできる人」を目指すのをやめた今
木島さんは、これまでの「七転び八起き」の経験を振り返りながら、すべてが今につながっているのだと、やわらかな笑みを浮かべる。
「チームには、子育てや家庭との両立に悩んできたメンバーもいます。私自身、働きたくても思うように働けない苦しさを経験してきたので、同じ思いをする人を減らしたい。女性が働きやすい社会にしたいという気持ちは、ずっと持っていました。社会はすぐに変えられなくても、自分のチームの働く環境なら変えていける。マネジャーになって、そう思えるようになりました」
かつては「自分は何者でもない」「何もできない」と自信を持てずにいた木島さん。「誰よりもできる人でなければ」という思いを手放した今、一人一人の力を信じ、それぞれが力を発揮できる場所をつくり続けている。
大学卒業後、出版社に入社。生活実用、妊娠・出産、育児分野の雑誌編集に携わる。2014年にフリーランスの編集・ライターとして独立。雑誌、ウェブでの記事制作、書籍のライティングなどを中心に活動。