上司の前で何度も号泣した理由
それでも、メンバーの悩みを聞くと、何とか自分が解決しなければと思ってしまう。仕事への自信のなさや家庭の問題など、部下が抱える悩みはさまざまだ。その一つ一つを自分のことのように受け止め、感情移入してしまう。思うように解決できないもどかしさから、上司の前で号泣することもあったという。
「上司からは『他人の人生まで背負わないで』『手を差し伸べることは続けても、その手を取るかは本人次第。変えようとしちゃダメだよ』って言われましたけれど、私も『それができたら苦労しないです!』って泣きながら反論したりして。昔はしょっちゅう泣いていましたね、今は全然泣かないですけど(笑)」
手を差し伸べることと、相手の人生を背負うことは違う。木島さんも葛藤しながら、次第にその線引きができるようになっていった。
「上司からも、強くなったねと言われます」
そう笑う木島さんの笑顔は、実に晴れやかだった。
長男の不登校を機に仕事を見つめ直す
仕事では、マネジャーとしての自信を少しずつ育んできた木島さんだったが、子育てでは再び大きな壁に直面することになる。長男が学校に通うことが難しくなったのだ。
「私もどうしていいかわからなくて、初めて会社を辞めたほうがいいのかもしれない、と思いました」
メンバーにも事情を説明して、業務はフルリモートに。長男と過ごす時間を増やし、対話を重ねた。学校の先生やスクールカウンセラー、地域の相談窓口にも助けを求めながら、子どもにとって何が必要なのかを考え、できることを探し続けた。
「スクールカウンセラーさんとの対話を通じて、家庭が子どもにとって安心して過ごせる場所であることの大切さを改めて考えるようになっていったんです」
自身の子育てを振り返り、長男の声に耳を傾ける。一方で、長男自身が気持ちを整理し、これからどうしたいのかを考える時間も大切にした。そうして親子で対話を重ねるうちに、長男は少しずつ学校に足を向けられるようになっていった。