新しい情報の獲得が、勉強を楽しくする

生成AIを用いて勉強を進めることに関して、すでにさまざまな論考が書かれている。ただ、それらの多くは、いかにして勉強の過程の効率化や自動化を進めうるかに集中しており、勉強の本質的な意味が転換しつつあることを十分に論じていない。

では、本質的な転換とは何か?

それは、これまで苦行であった勉強が、至上の楽しみに変わることだ。

勉強が楽しいと感じられるのは、「分からなかったことが分かった」ときである。その瞬間に、世界が広がる感覚を覚える。

AIは、この「瞬間」を増やす装置として機能する。疑問が生まれたその場で質問できるし、説明が分かりにくければ、言い換えを求めることもできる。具体例を挙げさせたり、別の角度からの説明を依頼したりすることも可能だ。

「楽しさ」が勉強を前に進める

新しい理解ができると、つぎの疑問が自然に生まれる。「なぜそうなるのか?」「他の場合はどうなるのか?」などと、関心が連鎖して広がる。そして、この連鎖が、勉強をさらに進める原動力になる。

従来の学習論では、「努力」や「忍耐」が強調されてきた。しかし実際には、勉強が続くかどうかを決めるのは、楽しさだ。

AIは、努力を不要にするのではない。努力が報われる感覚を頻繁に与えることによって、勉強をいつまでも続けさせるのである。

この点こそが、AIを使った勉強法の核心であり、これまで十分に論じられてこなかったことだ。これまでのAI活用論では、「効率」「時短」「自動化」といった側面が強調され、肝心な点が忘れられていた。