たった3000歩程度でも脳の老化を遅らせる
歩行習慣と認知機能低下(認知症)リスクの関係についても研究が進んでいます。
認知症(アルツハイマー病)や認知機能低下に関係すると考えられている「タウ蛋白」の蓄積も、歩行習慣との関連が示唆されるようになってきました。さらに興味深いのは、「たった3000歩程度でも脳の老化を遅らせる可能性がある」という研究結果です。
健康の話になると、「毎日1万歩歩かなければ」「運動を続けなければ」と考えがちですが、実際には少しでも身体を動かすことが脳への刺激になっているということがわかってきています。
つまり、脳卒中も認知症も脳だけの病気ではなく、全身の健康を左右する生活習慣と深く結びついた病気であることがわかります。ここで重要になるのが、「日々の活動量」です。私は中之条研究を通して、「歩行量」と「健康状態」の間には、明確な関係があることを見続けてきました。
その中で、とても印象的だったことがあります。それは、年齢だけでは健康状態は決まらないということ。同じ70代、80代でも元気に外出している人もいれば、急激に活動量が落ちていく人もいます。
そして、その差は毎日の歩行習慣に大きく表れていました。
もちろん、歩くだけで絶対に認知症にならないわけではありません。しかし少なくとも、歩かない生活が脳と血管に大きな負担をかけることは間違いありません。脳卒中や認知症は、ある日突然始まる病気ではありません。
毎日の生活習慣が、少しずつ未来の脳を作っていくのです。だからこそ、私は日々のウォーキングを勧めています。歩くことは、未来の脳を守るための、最も基本的で、最も現実的な習慣なのです。
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