ママチャリをベンツに乗り換え

この「いいよ」が言える安心感っていうものが一番変わった、よかったことでした。それは段々と時間が経つにつれて、じわじわ実感していきました。

「ごめんね」とか「これだけしか無理」という選択肢のない、マイナスの状況がずっと続いていて、それが苦しかったんです。子どもたちにお金持ちの生活をさせたいとか、自分でしたいという考えは当時も今も全然ないんですけどね。

もともとの私の資質なのでしょうけど、あまり派手にギラギラするタイプではありませんでした。ただ、車だけは乗りたかったベンツに乗りました。そこだけは頑張った自分への唯一のご褒美として。パート勤務時代のママチャリとは大違いです。

駐車中の赤いメルセデスベンツSL500
写真=iStock.com/contrastaddict
※写真はイメージです

会社の先輩にはヤナセの営業出身の人が多かったんですけど、その一人の知り合いのディーラーのところに連れていってもらって、好みの白いベンツを購入しました。といっても新古車だったので、自分でちゃんと買える額のものを買いました。

子どもを乗せるときもあるから、ボディが強い安全なメーカーにしたかったのと、やっぱり好きな車種に乗って運転できてる自分、みたいなのをイメージすることで頑張ろうと思うことが出来たんです。

ほとんど行けなかった外食も解禁

自分の好きな車に乗ることで、「この車に見合う自分になろう」という気持ちになることが出来ました。同じ車種の新しいモデルに何度か買い替えていますが、その気持ちは今も変わっていません。

勢口真理『シングルマザー 億り人になる』(プレジデント社)
勢口真理『シングルマザー 億り人になる』(プレジデント社)

住む場所もアパートからマンションへ、みたいな(笑)。2DKから3DK、さらに2LDKから3LDKへ、中古から新築へ、みたいな感じでどんどんステップアップしていきました。

たまに「今日はどこかに食べにいこうか」って子どもを連れていくところも、以前は安楽亭にすら行けなかったのに、町のちょっとした焼肉屋さんに行くようになりました。とは言っても、叙々苑に行くわけじゃないですし、お酒は飲みませんから3人でせいぜい1万円ぐらい。

でも、以前はその1万円が全然払えなかった。外食なんて2~3000円ですよ、3人で。1人1000円かかったら高い方でした。当時はまだ今ほどの物価高ではなかったですけどね。

(構成=西川修一)