民泊ならではの予約トラブル
インバウンド旅行者の急増は、日本各地でオーバーツーリズムという問題も引き起こした。各地で宿泊料金の高騰を引き起こし、観光地を抱える地域の電車やバスに住民が乗りきれなくなるという事態も発生している。
さらに根室市では「行政から外国人宿泊者のパスポートチェックを厳格に行うように求められている実態があり、背景にはスパイ対策などが絡んでいるのではないか」という話も聞いた。
複数の宿泊関係者に話を聞いたところ、こうした予約サイトに関連したトラブルは、一般的なホテル・旅館よりも民泊で多く発生しているようだ。
旅館業法が適用されるホテル・旅館では、「必ずフロントがあり有人でチェックインなどの対応を行っている」ことから、筆者が根室で経験したような「システム側が不泊と判断してキャンセル対応となる事例は聞いたことがない。宿泊者の予約を予約サイトにほぼ完全に依存している民泊側に多い事例ではないか」「民泊では、宿側と宿泊者の連絡は、必ず予約サイトを介して行う仕組みになっているが、宿泊予約者が入力したメールが1カ月経ってから、宿側に届いたというケースもあった」という。
Agoda問題では観光庁が動いた
実際に日本民泊協会に話を聞いたところ、「特に予約サイトを介して、宿側と宿泊者との連絡が付かないというトラブルが多い」という。さらに、「インバウンド旅行者については、宿の備品の破損や、無断持ち出しというケースの報告を受けているが、予約サイトを介して宿泊者に連絡を取ろうとしても連絡が付かないということもあった」。
こうした予約サイトをめぐるトラブルは、大手なら回避できるというわけではない。2025年には、Agodaで予約したはずのホテルが予約できていなかったり、宿泊プランが勝手に変更されていたといった報告が相次ぎ、観光庁がトラブルの改善を申し入れた。
Agodaと同じブッキング・ホールディングス傘下のBooking.comでも、海外旅行をする日本人が巻き込まれるケースがある。
東京都内に住む30代の女性会社員は、2026年5月にスイス・ベルンのアパートメント型宿泊施設(2泊で約3万円)をBooking.comで予約した。施設側からは事前に入口ドアの暗証番号が送られ、15~18時という指定された時間内にチェックインする仕組みだった。
