マウンティングに使われるiPhone

ここで、“周囲の目”にも気を配りたい。「Yahoo!知恵袋」を見ると、学生と思われるユーザーから、「Androidなんだ(笑)とバカにされた」「どうして見下すのか」「アンドロイドが何かしましたか?」といった、怒気や悲鳴をはらんだ質問がいくつも投稿されている。

とくに思春期は、友人からの一言がグサリと刺さりがちだ。しかし、iPhoneを使っているか否かが、マウンティングの要因になっているケースは少なくないのだろう。言っている側は「おもしろいイジり」のつもりなのだろうが、受け止める側はそんな気楽ではない。

そもそも中高生の場合は、廉価版のiPhoneであっても、本人の自腹で購入するのは、あまり現実的に思えない。月々の使用料も払った上で……と考えると、経済基盤を親に依存している可能性が高いのだが、なぜか「自分の優越感」に転換する若年層が多いのだろう。

中古のiPhone
写真=iStock.com/travelview
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「iPhoneユーザーが多い」が生む生きづらさ

誰かが悪口を言わなくても、「自分だけ違う」が見えてしまい、一方的に劣等感を覚える可能性もある。例えば、友人同士で撮った写真を「AirDropで送るね」と共有するとき。最近では一部のAndroid端末でも送受信できるようになったが、基本的にはiOSやMacユーザーが中心だ。幾度となく「自分には別の方法で送って」と頼んでいるうちに、申し訳なさが募っていってもおかしくない。

またSNSでは、アルゴリズムの関係もあり、考え方の近い投稿が表示されやすい。最初は一部の人がAndroidスマホをけなしていただけでも、同じような投稿が何度も目に入れば、「みんながそう思っている」と感じるかもしれない。

実際の多数派かどうかとは別に、その空気が「この機種を使う人は笑ってもよい」という扱いを後押しする。小さな侮蔑が集い、まるで「世論」のような顔をして、差別的な扱いを広げる可能性はあるだろう。