林氏にとって反転攻勢をかけるうえで最大の課題は、足元の旧岸田派が一丸となって支援する態勢になっていないことだろう。
旧岸田派は、先の衆院選自民党大勝で70人規模に膨らんだが、林グループが30人に対し、これまでの総裁選で小泉氏を支持してきた木原誠二(元党選対委員長)グループが40人と分かれているのだ。
2023年1月13日、岸田総理立ち会いの下、林外務大臣とブリンケン国務長官が「日・米宇宙協力に関する枠組協定」に署名した(写真=NASA/Aubrey Gemignani/PD NASA/Wikimedia Commons)
林グループは、金子恭之前国土交通相、宮沢洋一前党税調会長、田村憲久元厚生労働相、後藤茂之元経済再生相らベテランが中心だ。木原誠二グループは、岸田元首相が顧問格で、村井国対委員長、小林史明、国場幸之助両衆院議員ら中堅・若手を主力部隊に、上川陽子前外相も加わっている。
岸田氏は、これまで高市首相を支持してきたが、経済・財政運営をめぐって異論を唱え始め、自らの首相秘書官だった財務省の一松旬氏の東京関税長転出にも不満を募らせる。
対米外交でも、トランプ米大統領が8月に国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を資産凍結などの制裁対象に指定した際、高市首相が「大変残念に思っている」との表現にとどめたことについて、「『法の支配』は言わないといけない」と周辺にぼやいたという。
岸田氏に近い筋は「徐々に『反高市』に舵を切っているように見える」と説く。
岸田氏は、林、木原両グループに「うちは足せば、麻生派(60人)より多い。総裁選に向けて、今から一本化するよりも、決選投票をにらんで、どう連携するかを考えた方がいい」と伝えているという。
麻生、岸田両氏の鞘当ての下で、林氏にとっては先の見えないチャレンジが続く。
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