初入閣は7人にとどまる。連立を組む日本維新の会が閣内協力に転じたため、中司宏前幹事長を規制改革相に起用した。大阪・枚方市長時代の2007年に市発注の公共工事に絡む談合事件で逮捕・起訴され、最高裁で有罪が確定したという過去がある。
首相は2023年に発覚した政治資金問題で、収支報告書に不記載があった旧安倍派の簗和生農相、関芳弘文部科学相も初入閣させた。世論受けが悪くても、次期総裁選に向け、旧安倍派に秋波を送ることを優先したのだろう。
内閣改造への世論の評価は、やや上向きに転じた。読売新聞世論調査(9月17~18日)では、内閣支持率が59%で、改造前の8月調査から3ポイント回復し、不支持率は30%(前回調査32%)だった。日本経済新聞世論調査(9月18〜20日)の内閣支持率は62%で、8月の前回調査と同じだった。不支持は33%(前回32%)だった。
読売調査が、高市首相にどのくらい首相を続けてほしいかを問うと、「できるだけ長く」が40%、「自民党総裁の任期が切れる来年9月まで」が43%、「すぐに交代してほしい」は13%だった。
高市人気の底堅さを物語るが、これが政権の安定につながるかどうかは、別問題だ。
「遠藤氏が事実上、与党の国対委員長だ」
今回の党人事は、首相の国会審議を軽視する姿勢がさらに鮮明になっている。国会対策委員長に、衆院当選6回、46歳の閣僚経験がない村井英樹前国対筆頭副委員長(旧岸田派)を抜擢したことである。
国対委員長と言えば、二階俊博元幹事長、森山裕前幹事長のように豊富な人脈を与野党に持ち、野党と交わした約束を果たすだけの政治力が必要なため、閣僚経験があるベテランが担ってきた。
高市政権では、発足以来、梶山弘志氏(現総務会長)が務めてきたが、節目で首相に国会出席を求めたことから、なぜか不満の対象になって遠ざけられた。
後任の村井氏は、財務官僚出身、岸田文雄元首相の側近ながら、国会改革の急進派で、かねて「首相は国会出席よりも政策判断や外交に時間を割くべきだ」と主張している。
先の特別国会でも、野党と対話を積み重ねて合意形成を図るという旧来型の国対政治ではなく、数の力で押し切る強硬路線を採用し、野党の審議拒否を「時代遅れ」と公然と批判してきた。
首相主導の国会運営を手掛けたい、言い換えれば、国会に出たくない首相にとって、我が意を得たり、という思いだっただろう。
だが、予算審議などで荒れ模様となった特別国会が曲がりなりにも回ったのは、遠藤敬首相補佐官(維新の会国対委員長)と御法川信英自民党国対委員長代理による、人間関係を重視する国対政治の成果だった。
こうした現実が首相には見えていない。維新の会が閣内協力に転じたとして、遠藤氏に「首相補佐官を辞めてもいいのではないか」と持ち掛けたというのだ。維新内から「首相は、遠藤氏が事実上、与党の国対委員長だということが分かっていない」との声も聞く。
村井氏は16日に「高市政権が掲げる政策を国会でしっかり実現する。円滑かつ建設的な国会運営を行う」と読売新聞の取材に語ったが、その力量とともに、首相主導の国会運営が機能するかどうか、臨時国会で試されることになる。

