だから野球場のビールは1杯900円の価値
野球場で販売されるビールは、1杯800円から900円はします。それでもよく売れるのは、人の消費行動が「場所」によって変わってくるからです。
自宅で飲めば何百円ですむお酒を、高級クラブで何万円も払って飲むのも、クラブという場所にお金を出しているといえます。野球場のビールが高いのも、理屈はそれと同じです。野球ファンにとって、球場での野球観戦は非日常のお祭りのようなもの。その場で飲むビールには、家で飲むビールとは違う価値が生じているのです。
加えて、すでに「球場で飲むビールは高いもの」という固定観念が成立しています。そのため、お客は、ビール1杯が800円以上しても、「球場だし、そんなもんか」と思い、大きな抵抗を感じないのです。さらに、球場側の強気の価格設定には、他店と競合がなく、安売り合戦の必要がないことも関係しています。
映画館の大きな収入源になっている食べ物
ポップコーンは、トウモロコシの豆(ポップコーン豆)を加熱して、内部の水分を膨脹させて弾けさせ、塩やバターで味つけしただけのメニュー。要するに、原価がひじょうに安い食べ物です。
シネコン(映画館)で販売されているポップコーンの原価は50円ほどですが、シネコンではそれをSサイズで400〜500円、Mサイズで500〜600円で販売しています。
この粗利率80〜90%という食べ物は、映画館の大きな収入源になっています。そもそも、映画館は、チケット料金だけでは運営が難しいビジネスであり、世界的に、売店での軽食と飲み物の売り上げでコストを補うというビジネスモデルが確立してきたのです。
映画料金に加えて、ドリンクとのセットで800〜900円ほど追加で支払ってくれるお客が、映画館にとっては上客というわけです。
なお、映画館のポップコーンの値付けでは、「セット・サイズ戦略」がとられています。Sサイズを割高に設定して、Mサイズに注文を集中させる「おとり戦略」がとられていることがよくあるのです。

