桜木花道がシュートを決められたワケ
● 既視感の醸成(カン、コツを設計する)
● 既視感の知識化(カン、コツを組織知に変える)
この2つの考え方も、伝承しにくい技術や知識を引き継ぎ、なおかつ未知を既知化して効率よく仕事を進めていくためにもっておきたいです。既視感をいかにチームの資産にするかが、残業削減における管理職の腕の見せどころです。
再び私の大好きな漫画「スラムダンク」の話をしましょう〔させてください(笑)〕。
主人公の桜木花道が、強豪チームとの試合の最終局面の「ここぞ」というタイミングで大活躍する名シーンがあります(「ネタバレ」になるといけないので、細かな記述は避けます)。それはひとえに、既視感によってもたらされた逆転劇ということができるでしょう。
バスケットボール初心者(素人)の花道は、顧問である安西先生とコーチのアヤコさんの指導のもと、文句をいいながらも地道な練習を続けて(いや、続けさせられて)きました。その練習を通じて叩き込まれた、感覚の積み重ねが功を奏して、「いまこのとき」「ここぞ」のタイミングを逸せずして、培った基礎能力と感覚を発揮して最後をキメたのです〔そのときの花道のセリフは、私の心に感動とともに何度でも蘇ります。あ、これも既視感かもしれませんね(笑)〕。
既視感は裏切らない。既視感が自身やチームのピンチを救うことがあります。強いチームに進化するためにも、メンバーも、管理職やリーダーの皆さんもさまざまな体験を獲得し、既視感を増やしていきましょう。
既視感を醸成する方法、引き出す方法については第4部で触れつつ、それだけで1冊の書籍の内容になりそうでもあり、別の機会にじっくりお話しすることとしたいです。この作品では、そっと添えるだけにとどめておきます。
既視感を醸成する
上記で既視感の醸成の重要性をお話ししました。
「そういえば、どこかで見たことがある……」
「あれ……似たようなトラブル、昔経験したことがあるぞ!」
「あの人、どこかで会ったことがある気がする……」
「このテーマ、詳しい人がどこかにいた気がする……」
このような既視感が、ものごとの解決を早め、残業削減につながることはよくあります。つまり、無駄に悩みすぎ、余計なボールを抱えなくてすむようになる。
管理職は、メンバーが既視感を得るための場や体験もできる限りつくっていきましょう。といっても、大げさなことをする必要はありません。

