特権を持ちながら貧しい人々

AIが東大入試、司法試験、医師国家試験に合格する能力をもつようになり、これからの社会が大きく変わっていくことは避けられません。そして否応なく、「持てる者」と「持たざる者」の格差は拡大していきます。

世界金融危機を受けて2011年から始まった「ウォール街を占拠せよ」のスローガンは「99%対1%」で、富は上位1%の超富裕層に集中し、残りの99%は一方的に収奪されていると抗議しましたが、現実に起きているのは「持てる者(平凡なミリオネア)」が急速に増えていることです。

「5世帯に1世帯がミリオネア」のアメリカは人類史上もっともゆたかな社会を実現しましたが、それでも5世帯に4世帯はこのレベルに届きません。

そうなると、アメリカ市民(あるいは「白人」)という「特権」をもちながらも貧しいひとたちは、「あなたが成功できない理由はなんなのか」という残酷な問いを突きつけられることになります。

生き延びるための金融リテラシー

皮肉なことに、リベラルで平等な社会では、社会がゆたかになればなるほど、そこから取り残されるのは「自己責任」になってしまうのです。

幸いなことに日本は、アメリカほど格差の大きな社会ではありませんが、AIをはじめとするテクノロジーの影響を受けて、これから10年、あるいは5年以内に、アメリカと同じことが起きるのは間違いないでしょう。これが、わたしたちの生きる「残酷な世界」です。

それでも一人ひとりが、自分や家族の幸福のために、できることをやっていくしかありません。そのために必要なのが、『プアジャパン』で紹介したような「金融リテラシー」であり、資産をヘッジしつつ増やしていく技術なのです。