「上映終了後かと思うほど空いている」

ウクライナ侵攻を直接的に題材にしたロシア初の長編映画さえ、ロシア国民の関心は薄かった。『Svidetel(目撃者)』と題するこの作品について、英ガーディアン紙は、2023年8月にロシア全土で公開されたと報道。製作費2億ルーブル(約3.9億円)に対し、封切りから2週間で1400万ルーブル(約2740万円)しか稼げなかったと指摘する。

Svidetelは、ベルギー人バイオリニスト、ダニエル・コーエンの視点で綴られる。2022年2月、バイオリン公演のため訪れたウクライナの首都キーウで、ロシアによる侵攻に巻き込まれたコーエン。一帯が戦闘地帯となるなか、彼は「ウクライナ民族主義者による、非人道的な犯罪と、血なまぐさい挑発行為」を目撃する。

劇中では、ウクライナ軍の司令官がアドルフ・ヒトラーの著作『わが闘争』を愛読し、ウクライナの兵士たちがヒトラーへの忠誠を誓うシーンが描かれる。ロシア政府はウクライナ侵攻を正当化するため、ウクライナをナチスと関連付ける主張を繰り返しているが、作品はこの論理を2時間かけて説く内容だ。