子供のころの経験がずっと影響する
さて、少し別の観点から、乳幼児研究者のダニエル・スターンが報告している生後18カ月の乳児の母子交流研究を紹介しましょう(※2)。
大きめのソファーに母親がタバコをふかしながら座り、その隣で18カ月の男の子Bが哺乳瓶から何かを飲みながらジャンプを繰り返している。飲み終わると男の子はボトルを床に放り出し、母親の膝をめがけてジャンプしようと身構える。
その瞬間、母親は男の子の方を見ることもなく大きな声で「ソファーの上でジャンプするなって言ったでしょう」という。そうするとその直後、男の子Bはジャンプの姿勢を解き、ソファーから降りる。しばらくして母親の方に前方から近づきながら母親の膝に手を回すがすぐに引っ込める――というものです。
このようにして育てられた子は、将来、親密な身体接触を持つことに無意識のうちに葛藤を抱くようになることが想像されます。
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