巨大市場「オトメ系オタク女子」の争奪戦が始まる

一般の女性にとっても「美少年」に興味を示すのは至極普通ですから、「オトメ系オタク女子」に分類される人数は、「腐女子」や「おっさん系オタク女子」よりもかなり多くなると思われます。そうすると、「オトメ系オタク女子」向けの商品とサービスは、オタク女子向けの中で最も市場規模が大きくなる可能性があります。実際に秋葉原と池袋では、この「オトメ系オタク女子」の争奪戦がすでに始まっています。

池袋では、主に女性向けのキャラクターグッズを販売する「アニメイト」本店が、昨年に「乙女ロード」から、池袋駅により近い便利な場所に移転しました。また、「アニメイト・ガールズ・フェスティバル(AGF)」が2011年より毎年開催され、池袋は「オトメ系オタク女子」のメッカとなりつつあります。

秋葉原でも、「オトメ系オタク女子」をターゲットにした秋葉原らしい新店舗がつぎつぎと誕生しています。万世橋警察署の近くにできた「オトメイトカフェ」は、「乙女ゲーム」メーカーの「オトメイト」の作品をイメージしたコンセプトカフェで、連日、入場券配布前には、200人ほどのオトメたちが待機列を作ります。最近開店したオトメたちをターゲットにしたフルーツパーラー「オータムリーフ」は、物腰柔らかい美少年たちがフルーツ皿の盛り付けをしながら、話術巧みにオトメたちを楽しませてくれます。私でも通いたくなるのだから、「オトメ系オタク女子」にはたまらないでしょう。

秋葉原に「オトメ系オタク女子」を集めるには、秋葉原がオトメたちにとってより魅力的な街になる必要があります。それには、「乙女ゲーム」関連の店舗やオトメたちをターゲットにした飲食店だけでなく、街全体でそれぞれの店舗や団体が、これまでに居なかったタイプの女性来訪者をいかに上手くもてなすかを意識していくことが大切です。女性が気軽に使えるトイレや休憩所の場所を積極的に紹介したり、一部の下品なビラ配りやキャッチセールスを規制したりすることもよいでしょう。オトメたちが安全で快適に秋葉原を楽しめるようになれば、秋葉原の街全体がさらに活性化できると期待しています。

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