100%絶景の島が人手不足でポテンシャルを発揮できない

「天国以外はバイクですべて行った」と豪語する私には、行くところはもう島しか残っていない。沖縄、佐渡島、壱岐、対馬など、ほとんどを旅したが、日本で一番風光明媚だと思う島は、鹿児島県薩摩川内市の甑島こしきしま列島だ。

薩摩半島の沖合約30キロメートルの東シナ海に浮かぶ離島で、串木野新港からフェリーで約1時間半である。ドラマ化や映画化もされた人気漫画『Dr.コトー診療所』のモデルになったことでも知られている。

甑島列島は、上甑島、中甑島、下甑島の3つの島から成る。上甑島と中甑島は山が低くてなだらかな一方、下甑島は対照的に山が高くて切り立った迫力ある断崖を持っているのだが、ユニークなのはこれら3つの島が橋ですべてつながっていることだ。

橋ができるまで、それぞれの島には個別に行かなくてはならなかったので大変だったが、現在では1日ですべて見られるようになった。甑島はどこをとっても絵になる。カメラスポットであることを示す看板まで置かれている。つけあげなどの山海の珍味も魅力的だ。

しかし、大きな問題がある。甑島の人口はかつて約1万人だったが、現在は約2000人と過疎化に苦しんでいることだ。人手不足のため島内にはホテルや旅館、レストラン、タクシーなどの移動手段が不足している。

前述したとおり、観光地としての魅力に溢れているのだから、やり方次第で海外の富裕層を引き付けることはできるはずだ。旅行者が増えれば、島にも人がまた戻ってくるだろう。

インバウンド急増でパンク寸前の宿泊施設

前述したように、日本が最も弱いのは宿泊施設だ。ホテル稼働率はビジネスホテルもシティホテルもともに80%という高稼働率で、宿泊施設不足が深刻となっている。

また、オーバーツーリズムも改善される見込みが立たず、「公共交通等の混雑対策」「マナー違反対策」「自然環境保護」「需要の分散周遊促進等」などの観点から、オーバーツーリズム対策モデル地域が指定されている。