数字が語る分散投資のリスク低減効果

この歴史に目を向けると、長期的な投資戦略として、単一国に集中するリスクが見えてくる。実際、1989年に日本の株式市場は世界の株式時価総額の約45%を占め、「日本株こそ最強」という見方もあった。しかし、その後の30年間で日本の世界シェアは約7%程度に低下した。

米国の地位が近い将来に急激に低下するとは限らないが、世界経済のバランスは徐々に変化している。中国の経済規模はGDPベースで米国の約70%に達し、インドは世界第5位の経済大国へと成長した。過去10年間でベトナムのGDPは約2.5倍に拡大し、インドネシアも約1.8倍になるなど、アジア諸国の経済成長は目覚ましい。

実際のデータを見ると、全世界株式に分散投資することで、リスク(ボラティリティ)が顕著に低減することがわかった。過去20年間(2003~2023年)のデータでは、米国株(S&P500)の年間標準偏差は約15.7%だったが、全世界株式(MSCIワールド)では約14.2%だった。これは約10%のリスク低減効果を意味する。