「医者の壁」を破る力とは

総合診療ができる“ふり”をする医者は、自分の専門外の治療に関してはマニュアルに頼りがちで、結果として多くの薬を処方する傾向があります。これを「多剤併用」と言います。詳しくは本書(『患者の壁 [ベルトコンベア医療]には乗るな!』)の第三章で説明しますが、端的に言うと薬を多く処方する医者は良い医者とは言えません。

実は、こうしたことは、私の専門である精神科でも大きな問題になっています。カウンセリングをほとんどやったことがない医者が、「心療内科」を名乗ったりする事例です。

日本では、医者になればどのような診療科でも名乗れてしまいます。そのため、クリニックによって総合診療科の質の差は大きく、“月とスッポン”以上になります。総合診療科を名乗るのであれば、せめて1年でもいいので、総合診療科のある病院で修行なり、研修をするシステムが必要でしょう。