なぜ自給自足で人生が充実するのか

私たち4人家族は、北海道の山奥で、自給自足の生活を送っています。

皆さんは「パーマカルチャー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、永続性(パーマメント)・農業(アグリカルチャー)・文化(カルチャー)を組み合わせた造語。つまり、「農を主軸に人と自然が共創していく暮らし方」という概念です。昨今はSDGsやサステナブル消費の観点からもパーマカルチャーが注目されており、私たちも自給自足の生活を通して実践しています。

農作業をする人
写真=iStock.com/tomazl
※写真はイメージです

パーマカルチャーの考え方を暮らしに取り入れることは、多くのメリットがあります。地球環境に配慮するだけでなく、支出が少ないため労働に追われることがなくなり、隣人との関わりも強化される。総合的に充実した生活を送れるようになるのです。

長らく不景気が続く昨今では、仕事に追われて私生活をおざなりにしている人が多いはず。そうした方々が私たちの生活を知ることで、ライススタイルを再考するきっかけを掴んでいただけると幸いです。

節制が目的ではないからコンビニ・外食も行く

私たちの暮らしについて、簡単に説明させてください。まず、現在の世帯年収は200万円程度です。毎月の支出はおよそ10万円。過去には、支出が5万円を切った月もありました。家賃がなく、光熱費もわずかなので、出ていくお金は少ないです。

【図表】2024年5月の支出
家賃がないので毎月少ない出費で充実した生活を送る。支出は5万円を下回ったこともあるという。

収入源は、主にパーマカルチャーの実践方法をオンラインで教える講座の受講料です。食料は家庭菜園で採れた野菜や、飼っているにわとりが産んだ卵。自給だけでは不足する米や調味料は、知り合いの農家や自然食品店から購入しています。肉や魚に関しては、スーパーで買っています。

また、一部のライフラインは自分たちで供給しています。電気はソーラーパネルにポータブル電源をつないで自家発電したものを、パソコンの充電等に活用しています。水は近隣に住む大家さんがつくった、伏流水を水源とした水道を使います。ガスは契約していないので、風呂は石油給湯器で沸かし、暖房は薪ストーブと灯油ストーブの併用です。ストーブの燃料となる薪は、大家さんが持つ山林から切り出しています。その薪を大家さんにお渡しするので、いわば薪が家賃代わりです。

【写真】三栗家が切り出した薪
三栗家が切り出した薪。一部は「家賃」として大家さんにお渡しする。

大型の電化製品とは無縁の生活です。冷蔵庫は使いませんし、圧力鍋でご飯を炊くので炊飯器もいりません。電子レンジやオーブンも、鍋があれば不要です。月々の電気代は1500円程度に収まっています。