定期預金を中途解約する損得を計算

つまり、今回、私は金利0.4%の定期預金5年物を中途解約して、即、金利0.8%の定期預金3年物(←中途解約した定期預金の残り期間)に預け入れることは、数字の上では「正解」だったということとなります。

※あくまでも今回の私のケースであって、実際には金利水準や中途解約利率等の条件によって、中途解約の有利不利は異なる。

そして、ここまでその詳細について、私の事例に即して説明してきたわけですが、数字が細かくて、少々ややこしかったかもしれません。そこで、以下のように数字を簡潔にしたうえで、あらためて、分かりやすくまとめてみました。

・中途解約までの期間:663日⇒2年間
・利息に対する税金:20.315%⇒20%

①中途解約しなかったときのトータルの受取利息

→金利0.4%の定期預金5年物をそのまま5年間、満期まで持ち続けた場合

200万円×0.4%×0.8×5年間=3万2000円

②中途解約したときのトータルの受取利息

→金利0.4%の定期預金5年物を2年で中途解約し、その後、金利0.8%の定期預金3年物に預けた場合

※中途解約利率は0.2%

200万円×0.2%×0.8×2年間=6400円(中途解約時に受け取る利息)
200万円×0.8%×0.8×3年間=3万8400円(その後、金利0.8%の定期預金で受け取る利息)
合計6400円+3万8400円=4万4800円

②-①=1万2800円

よって、中途解約した方が、トータルで1万2800円お得となるわけですね。

あえて1年物を選んだ理由とは?

しかし私は、新たに預け入れた金利0.8%の定期預金は3年物ではなく、1年物にしました。

前述のシミュレーションのとおり、3年物にしておけば、中途解約の判断は「正解(金額的には有利)」となったわけですが、1年物にしたことにより、「正解」であるかどうかは分からなくなってしまったわけです。

なぜなら、1年物であれば、また1年後には、そのときの金利水準で預けることになるからです。

もし、1年後に金利が下がってしまい、世の中の定期預金のトップクラス水準でも金利0.4%を切るような状況となってしまえば、「中途解約なんかしないで、そのまま金利0.4%で預けておけばよかった」となるからです。

ちなみに、現在の金利水準であれば、3年物だと0.8%超の金利を付ける定期預金もあります。そちらであれば、前述のシミュレーション以上に有利となるわけですが、それでも、私は1年物を選びました。

その理由は、私は今後、金利はさらに上昇すると予想するからです。

もちろん、金利の動向についてはいろいろな意見はあるでしょうが、昨今の円安・物価高の流れは10年単位の大きなうねりであり、そして、これは間違いなく経済的な転換点であることから、それに伴う金利上昇は避けられないだろうというのが私の見立てです。

世の中の金利が上昇すれば、今後、金利2%、3%といった定期預金が続々と出てくることでしょう。そうなれば、金利0.8%の定期預金は相対的に見劣りすることとなり、それに3年も縛られることで、また悔しい思いをするのは嫌だからです。