投資に必要な「種銭」をどのように作ればいいのか。個人投資家の桶井道さんは会社員時代から投資を始め、現在の資産は1億8000万円。「現代人はムダにお金を使っているシーンが山ほどある。使途不明金ならぬ“目的不明金”をなくして、それを投資に回してムリなく運用すれば驚くほどの資産を築ける」という――。(後編/全2回)

※本稿は、桶井道『普通の人のための投資 いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)の一部を再編集したものです。

前編(日常の習慣で資産4500万円が手に入る)はこちら

それを「ケチ」とバカにする人、「なるほど」と行動する人

日常のちょっとした工夫で、幸福度を下げずに節約できることは山ほどあります。いくつかご紹介しますね。

●「持ち物の棚卸し」でムダな買い物を避ける

絶対に必要じゃないのに、2つ以上持っているもの、ありませんか? ネームペン、ハサミ、ホチキス、セロハンテープ……数え出したらキリがありません。

はさみ、ホチキス、クリップなど、さまざまな文房具
写真=iStock.com/Liudmila Chernetska
※写真はイメージです

「あれどこいったっけ?」「これ持ってたっけ?」の積み重ねが、ムダな支出を増やしていきます。「2つあれば便利」と思って買ってしまうものの多くが、なくても生活の質を下げません。

そうしたムダを避けるために、定期的に持ち物の棚卸しをしましょう。何を持っていて、それはどこで管理しているのか、しっかり把握しておく作業です。それだけで、ムダな買い物をせずにすみます。

衣類や靴、鞄も同じで、棚卸しをしていなければ、ものが無限に増えていきます。

ふらっとショッピングセンターや百貨店、ECサイトに寄ろうものなら、すでに同じようなものを持っているのに、自分の好みに合わせて似たアイテムを買い足してしまいます。

これから「ゆとり投資」を始めるのであれば、「これは必要なかった」を最大限に減らす努力をしていきましょう。

●不用品は捨てるのではなく売る

不用品は、捨てるのではなく売りましょう。あなたにとって不用品でも、誰かにとっては必要品であることはたくさんあります。わざわざリサイクルショップに行かなくても、メルカリなどのサービスもあるので活用してください。

捨ててしまったほうが楽なのはわかります。でも、楽だからこそ、一銭にもならないのです。

●ポイ活もバカにできない時代

買い物するときには、ポイントカードを出すようにしましょう。ここで貯めたポイントで節約すれば、浮いたお金を投資に回せます。公共料金を現金で支払っているなら、クレジットカード払いに切り替えてください。大きな支出なので、ここで貯まるポイントはバカにできません。

ポイントによりますが、貯めたポイントを投資に使えるものもあります。

楽天グループでは楽天ポイントが有名です。最近では、SBI証券でVポイントが便利に使えるようになりました。ユーザーが増えているように感じます。マネックス証券ではマネックスポイントやdポイントが使えます。

私はdポイントを日常的に貯めていて、各種ポイントをdポイントに移行するようにしています。dポイントはSMBC日興証券でも投資に使えます(または、アマゾンでもdポイントが使えるので、投資本を購入することもあります)。

ポイントが原資なら、支出はゼロ。現金で購入するのはためらってしまうような、ハイリスク・ハイリターンな銘柄にもチャレンジできるでしょう。もしくは、現金で投資を始める前に、ポイントを使って投資を経験してみるのも一案です。