実際に経験した金融機関の想定外の引き止め

私の場合、中途解約の理由は、「もっと高い金利の定期預金に預けるため」だったわけですが、それを面と向かっては言いづらいので、「子どもの学費のため」と言いました。

すると、「学費を振り込まれるのはいつ頃ですか?」と聞かれ、これに対して「いや、まだハッキリとは決まってはいなくて」と答えると、「では、振り込まれる直前まで解約は待たれてはいかがですか?」と食らいつかれました。

金融機関側としては、当面の資金流出を防ぎたい意図があったのでしょうが、この想定外の引き止めには、少々面食らいました。

その後、いろいろと問答があったわけですが、こちらは中途解約するという負い目もあるため、それは尋問のように感じてしまい、苦痛な時間を過ごすこととなりました。そして、今後、できるだけ中途解約はしたくはないな、と思った次第です。

もっとも、人によっては、中途解約による心理的な負担などまったく感じないかもしれませんが、金融機関や窓口担当者によっては少々面倒なやり取りが必要となるかもしれないことは、多少は、心積もりはしておきたいものですね。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。