日銀の利上げで銀行預金の金利も上昇が目立ってきた。すでに定期預金に預けている場合は満期まで待ったほうがいいのか、乗り換えたほうがいいのか。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「私自身、年利0.4%の定期預金を中途解約して0.8%の定期預金に乗り換えたが、思わぬダメージもあった」という――。
お金の計算をする人
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想定外の、金利上昇でとった行動

先日、私は某信用金庫に預けていた定期預金(金利0.4%)を、中途解約しました。なぜなら、某ネット銀行にて、0.8%もの金利をつける定期預金を見つけたからです。

私が某信用金庫に預けたのは約2年前、当時は金利0.4%といえば、トップクラスの金利水準。ただ、この0.4%の定期預金の預入期間は5年間と長く、金利上昇リスクは気になるところでした。

1年物や2年物でも0.3%程度の(当時としては)高金利でしたが、普段から少しでも高い金利を探し求めていた私は、「いざとなれば中途解約すればいいか」と、わりと軽い気持ちで預け入れたのでした。

それが、こんなに早くに金利上昇の波がやってくるとは、そして、本当に中途解約をすることになるとは思ってもいませんでした。

中途解約して「正解」だったのか?

中途解約した定期預金の金利は0.4%、それに対して、新たに預け入れた定期預金の金利は0.8%。預入金額は200万円だったので、この金利差0.4%は無視できないものです。

利息の金額差にすると年間で8000円(200万円×0.4%=8000円)、これは税引後、すなわち手取り額で約6400円ですから、ちょっと美味しいものが食べられる金額ですね。

前述のとおり、中途解約した定期預金は5年物。これに約2年前に預け入れ、満期まではあと3年以上もあったことから、これはサッサと行動せねばと思い、中途解約したわけです。中途解約であっても、それまでの預入期間分の利息は受け取れます。

しかし、中途解約のペナルティとして、本来の金利と比べて、ガクンと下げられた金利で計算された利息となってしまいます。ですので、(満期までしっかり保有したときの)本来の利息よりも、かなり少なくなってしまうのです。

さて、私は中途解約をして「正解」だったのでしょうか? 今回の事例を検証してみたいと思います。