「こたつでミカン」が昔とちがって危険になってきたワケ
もうひとつ、注意すべき食べ物は、ミカンです。昔からお正月はこたつに入って、テレビを見ながらミカンを食べる……というイメージがありますが、昭和の頃、おじいちゃんおばあちゃんの家の庭に植えられていたミカンの木の実と、現在、スーパーなどで販売されているミカンは別物。最近の果物は甘くないと売れないので、糖分が高くなるように品種改良され、栽培されているそうです。
ミカン1個で糖質は約10グラムもあるので、「生の果物ならヘルシーだろう」と思って次々に食べないこと。果物に入っている「果糖」こそ、内臓脂肪の原因になりやすい物質で、そこから脂肪肝になると、それが原因で血糖値も上がってしまいます。ミカンなら1日2個ぐらいが適量だと思います。
また、ミカンだけでなく、果物全般、果物のジュース、ドライフルーツなどにも気をつけてください。
こうやってアドバイスしていくと、「お正月に食べるものがないじゃないか」と思われるかもしれません。繰り返しになりますが、どの食品も食べてはいけないわけではなく、摂る量の問題。そして、もし適量を超えて食べすぎてしまったら、食後に運動をすればいい。そんなふうに考えて、あまりがんじがらめにならず、楽しいお正月を迎えてください。
やのメディカルクリニック勝どき院長。医学博士。1981年生まれ。2006年に日本医科大学卒業後、同大学附属病院に勤務。その後、国立国際医療研究センター研究所の糖尿病研究センターで糖尿病について研究をする。2023年、やのメディカルクリニック勝どきを開院。「Dr.ゆきなり」としてYouTubeでも情報発信をしている。著書に『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』(アスコム)、『自分でできる! 薬に頼らない糖尿病の大正解』(ライフサイエンス出版)がある。