甘くない「おもち」でも、糖質は栗きんとん並みに高い
それよりも注意してほしいのは、一見、甘くはない主食類。特に、お正月のメインとなりがちな「おもち」の食べ過ぎは避けてください。
もちの原材料は、もち米です。これは白米より糖質が多い。切り餅1個で炭水化物が約25グラムありますが、お正月は一回の食事で2個、3個と食べる場合も多いでしょう。さらに「砂糖しょうゆもち」などにすれば、糖分も塩分もアップします。
お雑煮に小さめのおもちが入っているぐらいなら、そんなに気にすることはありませんが、私のクリニックでは「おもちは1日1個か2個ぐらいにとどめて」とアドバイスしています。
同様に、お正月は「ちらし寿司」を食べることも多いですが、これも酢飯ですから、白米に砂糖を混ぜてある。酢飯100グラム(茶碗1杯ほど)に炭水化物は38グラム含まれています。
私のクリニックの患者さん、約30人を対象にして炭水化物の摂取量と血糖値の関連性を調べたデータでは、「1食当たり糖質40グラム程度であれば、目立った高血糖は起こらない」ことが分かりました。
おせちなどのおかずにも、1食当たり平均10~20グラム前後の糖質が含まれています。したがって、特に糖尿病の人は、主食の糖質量は1食当たり20グラム前後を目安に抑えるように心がけてください。おもち1個が適量というのが、わかっていただけると思います。
「おせちとおもちは元日だけ」「食べる順番を工夫」は有効
このように、おせち料理はもちろん、主食も糖分が高めになりがちなので、おもちや寿司をメインにするのはなるべく短い期間にしておいたほうがいいですね、元日にお正月気分を味わったら、2日目、3日目からは通常の食事に戻すというのも、リスク回避のためにはいいと思います。
食べる順番でも、ひと工夫できます。私は「カーボラスト」といって、食事のときは、サラダや肉・魚などのタンパク質から食べ始め、最後にご飯などの炭水化物を食べるということを勧めています。そうすることで、同じ食事内容でも、血糖値の上昇を抑えられ、食べているうちに自然と満腹感を得られるので、無理なく炭水化物を食べる量を減らせます。