※本稿は、堀野智子『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
百寿者の健康の秘訣5カ条
私は2024年4月9日に101歳になりました。年齢を知ると驚かれますが、それ以上に「この年まで、病気らしい病気をしたことがありません」「今まで一度も介護保険を使ったことがないんです」と言うと、みなさん目を丸くして「すごいですね、そんな方がいるとは思いませんでした!」なんておっしゃいます。
血圧も血液検査も基準値の範囲内です。
さすがに若いころに比べて足腰が弱ってきた自覚はあり、床に座った状態から立ち上がるのも大変になってきたので、ケガをしないように気をつけています。
でもこの年齢になっても、介護の手も借りず、食事の支度もお風呂も自分1人でできていますし、特に困っていることもありません。こんなに丈夫な体に産んでくれて、母にはとても感謝しています。
いろんな方から「長生きの秘訣はなんですか?」と聞かれるのですが、何か1つに絞り込むことは、なかなかできません。
私が思うに、次の5つがあるから、今の自分に幸福感を感じられ、それが心身の健康につながって元気でいられるような気がします。
2 人との交流を絶やさない
3 規則正しい生活をする
4 日々の楽しみを持つ
5 暗いことを考えない
では、今回は1から3についてお話ししていきましょう。
たった1人のためにでもできることをしたい
トモコさんの秘訣1 仕事を通じて自分が必要な存在だと感じられる
本書でお話ししてきたように、私は今の仕事が大好きです。
61年前に初めてこの仕事に就いたときは、本当にうれしかったのですが、まさかこんなに長く続けるとは思ってもいませんでした。
勤続40年のときも勤続60年のときも表彰されましたが、「この賞は堀野さんのためにあるみたいな賞ですね」と言われ、晴れがましいような、こそばゆいような思いがしました。
私が仕事を続けてこられたのは、私から化粧品を買ってくださるお客様がいたからこそです。
かつては私のようなセールスレディから直接買うしかなかったポーラの化粧品ですが、最近ではデパートでも扱うようになり、さらにはインターネットでも買えるようになっています。私のお客様は高齢者が多いので、ネット通販は使わないでしょうけれども、他の販売員から買うことはできるわけです。
それなのにあえて私を選び、ずっと私から買い続けてくださっているのですから、感謝以外の何ものでもありません。化粧品の注文を受けるたびに心からありがたく思いますし、ああ、私もまだ必要とされているんだな、と感じます。
たとえお客様がたった1人になったとしても、そのたった1人のために自分にできることをしたい! そんな気持ちはずっと持ち続けています。