糖尿病を防ぐ食習慣の基本

“主食を抜かない”ことが大切な理由には、インスリンとの関係も挙げられます。

ご飯などの主食を食べない食事を続けると、血糖値を下げるホルモンのインスリンが出にくくなることが報告されています。そうすると、いざ糖質を摂取したときには“血糖値が下がらない”事態にもなりかねません。だから、ご飯は1食あたり、お茶碗1杯の150gを目安にしましょう。

朝食を食べる女性の手
写真=iStock.com/west
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米の種類としては、白米と比較すれば未精製の玄米のほうが食物繊維量が多く、血糖値を上げにくいです。ただ、食べやすさや消化の面で、玄米が合う人と合わない人がいます。せっかく玄米にしても続かなければ意味がないので、玄米が好きな人以外は白米でかまいません。

白米に“もち麦”や“雑穀”をプラスすれば同じ量を食べても食物繊維量の摂取を増やせますし、炊飯器で簡単に炊くことができます。精米度合いを選べるなら“分つき米”や“胚芽米”にするのもよいでしょう。とにかく、こうでなくてはダメ、と選択肢を狭めるのではなく、自分が続けやすい方法を見つけて広げていってください。

筋肉が減れば血糖値は上がりやすくなる

主食では、ご飯に限らず、パンもOKです。ご飯150gに相当するカロリーは、6枚切りなら1.5枚、8枚切りなら2枚、ロールパンなら2〜3個。目安としては100gと覚えておくといいでしょう。

ただし、食パンやロールパンをそのまま食べるならいいですが、バターやジャムを塗ってしまえば余計なカロリー摂取につながりやすく注意が必要です。おかずの組み合わせで、ウインナーやベーコンだと、さらに脂質が多くなります。

その点、ご飯なら合わせるおかずもヘルシーになりやすいです。納豆ご飯や卵かけご飯なら脂質は控えめな良質のタンパク質摂取が可能です。かつお節やじゃこをかけるだけでも、タンパク質をプラスできます。

タンパク質は筋肉の材料となる重要な栄養素。体にためておきにくいので、3食とも、こまめに摂取することが大切で、特に朝食には必ずタンパク質の食材を加えていただきたいです。体内の糖をためる部位の1つが筋肉です。タンパク質不足で筋肉が減れば、血糖値が上がりやすくなります。