話に引き込む! デール・カーネギーの引用術

偉人や成功者の名言、誰かのスピーチや書籍、新聞などの言葉、心に残った漫画のセリフまで……こうした名言を引用することはもちろんです。これに加えて、自分が体験したことや、誰かから聞いた話といったエピソード、たとえ話や論拠の支えとなるデータまでを含め、過去にあった出来事や以前伝えた話も引用として捉えます。

上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)
上野陽子『心に刺さる、印象に強く残る 超・引用力』(青春出版社)

人を動かす』や『話し方入門』などの著書でも知られるデール・カーネギー氏は、自分であれ誰かの身の回りの人の話題であれ、とにかくエピソードや名言を話の流れで多用します。前回記事でご紹介したように本当に起きた出来事だからこそ、話が生き生きしています。

しかも、エピソードを使ってストーリーに引き込むような引用をするので、知らずに引き込まれるほど魅力的な話の仕上がりに。

自分の体験談でも他者のものでも、あらゆる事例を適切に盛り込むことで、相手の心に響く話になるものです。こうして上手に入れ込んだ「引用」をエッセンスとすることで、印象に残る「刺さる」話になることでしょう。

上野 陽子(うえの・ようこ)
コミュニケーション・アナリスト

カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社の執行役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『パッと探して、すぐ書ける!英文ビジネスメール モノの言い方辞典』(KADOKAWA)、『mini版1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『恋ノウタ こころに効く愛の100名言』(講談社)ほか多数。