話がうまい人の3つの特徴

まず、「話がうまい」というと、どんな人を思い浮かべるでしょうか? プロのお笑い芸人の方々、アナウンサーあるいは、TEDなどに登場する一流のプレゼンテーター、もしくは周りの話し上手や営業トークに長けた人を思い浮かべるかもしれません。

コミュニケーション・アナリストとして、さまざまな媒体を通じてのコミュニケーションを分析してきました。そうした経験をもとに、一般的に話がうまいと感じる人の特徴を、大きく3つに分類してみました。それは、

・流れのある、論理的な話ができる人
・ストーリー性のある、刺さる話ができる人

そして、両方を兼ね備える

・話の筋を通し、かつ刺さる話ができる人

「論理的に話せるけれど、刺さる話にまではいきつけない」という人もよく見かけるかと思います。でも、「刺さる話ができる人」は概して、「話の道筋をつけて話せる人」が多いように思います。つまり物語的な流れを作ること。

話は、経験が反映されていたり、個人の得意分野が盛り込まれたりするほどに人をひきつけるものです。

ビリヤードボールを1,2,3の順番に配置
写真=iStock.com/PolenAZ
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自分の得意分野を活かす

たとえば、いろんな分野の人がプレゼンテーションを行うTEDでは、さまざまな話が繰り広げられますね。

動くデータでおもしろおかしく社会問題を提示した学者から、自分の脳梗塞を観察した科学者、企業経営者、アーティストや大道芸人……まで。繰り広げられるのは、思い思いのテーマでエピソードが盛り込まれ、心に残る「刺さる話」ばかり。どんな分野の人でも、自分の得意分野を活かすことでストーリーを紡ぎ、魅力的な話をすることは可能なわけです。

自分にとっては日常でさしておもしろいと思わなくても、分野の違う人にとっては、珍しく、興味を惹かれ、なるほどと頷ける内容であることが多いのです。

ネットにあがっていますので、ご覧になったことがない方はプレゼンの妙を参考にしたり楽しんだりするだけでなく、話のネタとして見ることもお勧めです。

さて、こうした「刺さる話」を生み出す「引用」は、デール・カーネギーも得意とするところでした。どんな風に効果的に使われていたのでしょう。