「ふてくされ」社員は「聞く前に話す」
こうしたタイプの人は、子どもの頃から自分の言動を周りから過度に尊重され、課題を指摘されたり、叱られるべきところで叱られたりということが、少なかった可能性があります。自分に自信があり、プライドも高いので、社会に出て、周りから何か指摘を受けたり、指導されたりすると、あからさまに不快感を示すわけです。
そのため、上司の指導は全部裏目に出てしまいます。部下がこのようなタイプだった場合、上司がまず考えるべきは、「いかに自分の話に耳を傾けさせるか」です。ポイントは3つあります。
1点目は、「最初に上司の側が話す」ことです。
一般的によく聞く、上司に向けたアドバイスは「まず、相手(部下)の話を聞きましょう」というものが大半ですが、こうした「指導するとふてくされるタイプ」が相手の場合は、逆に、上司の側から話し始めた方がいいでしょう。
部下の側は、自分が話したあとに上司の話を聞かされると、「自分の言ったことを否定された。意見をつぶされた」と感じてしまうからです。話す側の上司も、先に部下に話をさせてからだと、つい、その内容について反論したくなったりして、言いたいことを強く言ってしまいがちです。しかし、やはり上司と部下だと立場の違いがあるので、どうしてもねじ伏せてしまうような感じになってしまうのです。それで部下の側は余計にふてくされて、溝が深まってしまいます。
上司が先に話した方が、耳を傾ける可能性が高いでしょう。
最初に「後で質問してもらいます」と予告
2点目は、「最初に予告して、話の最後に質問させる」ことです。
最初に上司が話をするわけですが、話の後に質問をするよう、あらかじめ促しておきます。
ただ、上司が指示や説明をしたあとに「何か質問はないですか?」と聞いても、このタイプの部下はプライドが高く、質問することは、「わからないことがあった」という自分の能力不足を露呈させることだと捉えていることもあるので、「質問は特にないです」「すべてよくわかりました」と返してくる可能性があります。
ですから、上司は最初に話をする前に、「今からプロジェクトの説明をしますが、この説明が終わった後に、必ず1つ以上質問してもらいます。そのつもりで聞いてください」などと伝えておきます。