「質問しよう」と思うと集中して聞く
このタイプの人は、基本的にまじめでやる気はありますし、自分に自信があるので、進めたいことやアピールしたいことで頭がいっぱいです。「こうやっていこう」と既に決めているので、上司の話が耳に入らない可能性があります。
しかし、最初に「後で質問してもらうから」と言っておけば、部下は質問するポイントを探すために集中して聞きますし、聞きながら、自分が理解しきれていないところが明確になります。
この方法は、「注意するとふてくされる」タイプの人以外にも有効なので、話に集中して耳を傾けてほしいときには、ぜひ使ってみてください。
ネガティブな話は印象に残ってしまう
3点目は、「ポジティブ:ネガティブ=7:3」にすることです。
自分に関するネガティブな評価は、ポジティブなものよりも強い印象を与えることが多いものです。上司から部下へ何か伝える場合は、立場の違いがあるので、その傾向は余計に大きくなるでしょう。
例えば、上司が部下に、ポジティブなこととネガティブなことを半分ずつ伝えた場合、ポジティブなことの印象の方が弱くなり、部下は「ネガティブなことばかり言われた」と受け止めてしまいがちです。
ですから、上司は意識的にポジティブな評価を多く伝えるようにすると良いでしょう。たとえ部下の提案内容に、課題がたくさんあったとしても、それを前面に出してしまうと「せっかく提案したのに、全部却下された。何も聞いてもらえなかった」と受け取ってしまう可能性があります。ですから、本人の前向きで一生懸命な姿勢、積極的な取り組みなど、プロセスの中からポジティブな面を評価して褒めるようにします。
理想はポジティブとネガティブの割合を7:3にすることです。全体の7割をポジティブな評価にし、残りの3割で改善点や懸念事項を伝えます。課題をたくさん伝えると、結局部下の耳には入っていかないので、優先順位をつけて、必ず直してほしい点を絞り込んで伝えるようにします。