絶対に避けたほうがよい三大行動

また、背もたれをどう使うか、と聞かれたことがありますが、僕は食べている時間以外は普通にもたれています。女性はバッグを後ろに置いたりするので、使わない人も多いようですが、確かに背筋が伸びているとかっこいい。ただ、高級レストランで3時間、4時間、座ったままになる場合、背もたれもたまに使ってリラックスして食事を楽しめばいいと思います。

逆に、避けたほうがよいと思うのは、食べるときにひじをつくことです。会話をしているときに、腕をテーブルの上に置くのは全く問題ありません。ただ、少なくとも欧米や日本においては食事中に肘をつく文化はありません。

西洋料理はお皿を持ち上げることはありませんが、和食は食器を手に持っていただくものが多い。中でも、お椀は基本、手に取らないといけないものです。特に、内側に塗りがしてある内蒔絵の器は、置いたまま箸で触ると傷をつける可能性があるので、絶対に持ち上げる。器の観点からも、手で持って食べるほうがいいということです。

小豆ご飯を食べる女性の手元
写真=iStock.com/Satoshi-K
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また、材質にもよりますが、鮨屋や割烹の、傷つきやすい白木のカウンターでは、テーブルにスマホなどを直接置かないほうがいいでしょう。テーブルの上に敷くものがあれば問題ないと思いますし、フーディーの中には畳でできたスマホ置きを持ち歩いている人もいます。僕は、スマホは、膝の上に置くことが多い。お店によっては、お客さんが巨大な一眼レフを落としてしまい、白木のカウンターが凹んでしまったので撮影禁止にした、という話もあります。貴重な木材を使っている場合、お金では弁償できないくらいの損失になる可能性もあるので、要注意です。

一方、海外のレストランではそもそもテーブルもカウンターも傷つきやすい材質ではないことがほとんどです。また、高級店だとテーブルクロスが敷かれていることも多い。なので、お客さんは普通にスマホなどのものを置きますし、お店の人もそういうものだと思っています。要は、常識で判断すればよいのです。