日本の低金利時代はついに終わりか

さて、この状況が本当に実現し、日本の低金利時代は終わってしまうのでしょうか? 私はそうとは限らないと思います。日本が抱える深刻な問題「少子高齢化」が理由です。

図表5は日本の人口予測です。毎年約80万人ずつ減少し、2060年には1億人を割ることが予想されています。80万人の人口減は毎年0.7~1%程度の日本人が減ることを意味し、インパクトとしては強烈です。

しかも、65歳以上のシニア層比率も高まることが予想されており、図表6にある通り、2024年の29%が2060年には38%にまで上昇します。2022(令和4)年の総務省の家計調査では、年代別家計支出は50代がピークであり、その後減少していきます。シニア層はそこまで消費力が高いとはいえません。

これらの予想からいえることは、日本全体の総需要が弱まっていくということです。人口が減ることに加えシニア比率が増えるダブルパンチ状態なのです。