「要警戒」を覆すのはなかなか大変

初対面時の印象が、正直で誠実そうな人、真面目で身だしなみのきちんとした相手、明るく楽しそうな雰囲気の人物……こうした好イメージがあれば、相手の潜在意識には、あなたに対しての「好意的」な判断や思考による行動をとらせやすいことになるでしょう。

簡単にいうと、人は初対面で、何らかの「脅威」を相手に感じとれば、後々までも「マイナスイメージ」となり、最初に「安心・信頼できる相手」と感じれば「プラスイメージ」になり、これが潜在意識内でも尾を引くことになるわけです。

したがって、最初の出会いで、何らかの警戒心を抱かせると、相手はなかなかあなたに心を開きにくくなっているわけです。

ひとたび、無意識のうちに、「警戒すべき相手」として刻まれると、そのイメージを後から覆すのは、なかなか大変ということにもなるのです。

初対面で「好印象」を作るテクニック

人には「返報性の原理」という心のメカニズムがはたらくことが、心理学ではよく知られています。

「返報性の原理」とは、他人からモノをプレゼントされたり、好待遇を受けたりすると、何かでお返しをしなければと思う心理です。

スーパーでの試食販売では、お客に試食したことの「お返し」に商品を買ってもらおうという魂胆がはたらいているのは、よく知られています。人は誰かに親切にされたら、相手にも「お返し」をしたいと思う心理がはたらくからです。

ゆえに、初対面時に、相手に好印象を植え付けられれば、相手も「好印象」で返報したくなり、それだけ2人の人間関係は、打ち解けやすくなるともいえるのです。

では、出会った瞬時に、相手に好印象を与える面白い心理テクニックを、ここでお伝えしておきましょう。

「人たらし」といわれる人は、出会いの瞬間に次のような態度や行動が自然に現れるようになっています。

● 両方の眉を少し上げ、目を大きく見開くようにして近づく
● 唇の両端の口角は上げ、歯が見えるほどの笑顔を作る
● 両掌の内側が見えるぐらい、両手を広げながら近づく