Type5:「モノカル」型

かつての男性中心の職場から今では女性社員も増え、契約・派遣社員もいれば、年上の部下も珍しくない。外国人社員も増えるなど多様化している。金融業の人事部長は「女性の部下のやる気を引き出し、うまく活用できない管理職はだめだ。派遣社員にも仕事を与えつつ、マインドをうまく操れないような管理職は生きていけない。要は価値観が異なる多様性のある人をまとめきれない上司はこれからは必要とされない」と指摘する。

化学メーカーの人事部長は「外国人を採用し、あずかってほしいと依頼すると『いや、うちは遠慮しときます』という管理職が必ずいる。会社が変わろうとしているときに自分は変わりたくない、今のままがいいという上司の典型であり、管理職の資格はない」と指弾する。

キリンホールディングスの三好部長は「自分と意見が合う、合わないといった価値観の違いで仕事をするのではなく、いろんな価値観があったほうが組織は強くなると信じて仕事を進めるマネジャーの部署のチーム力は上がる」と話す。

「単一の価値観同士が集まり、あうんの呼吸で仕事をすることが効率的という時代もあったが、そこからは新しいビジネスは生まれない。一見非効率に見えるが、多様な価値観を持った人が共通の目標にチャレンジすることで結果的に経営のスピードも上がるし、それを理解するリーダーが最も求められている」(三好部長)