法人のデメリット

個人事業主が法人を設立する「法人成り」には、デメリットもあります。

井戸美枝『フリーランス大全』(エクスナレッジ)
井戸美枝『フリーランス大全』(エクスナレッジ)

法人を設立する際には、資本金や、法律で定められた「法定費用」、その他の費用が必要になります。現在では、資本金1円から株式会社を設立できますが、法定費用やその他の費用を合計すると、株式会社を設立する場合には25万円くらいの費用がかかります。

また、法人税は、均等割と法人税割で構成され、均等割は法人の規模で税額が決まるため、赤字の時でも税金の支払いがあります。従業員の人数に関わりなく、社会保険への加入が義務になり、保険料を従業員と折半するため、その負担もすることになります。

会社と個人のお金が明確に分けられ、役員報酬(給与)は毎月一定額のみが支払われます。個人事業主の時に比べて、経理や総務などの事務処理が煩雑になるというデメリットもあります。

【図表】法人成りのデメリットとは
【図表】有限責任事業組合(LLP)の特徴
【図表】マイクロ法人の特徴
【図表】主な法人(営利法人)の特徴
井戸 美枝(いど・みえ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)

関西大学卒業。社会保険労務士。国民年金基金連合会理事。『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)、『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください 増補改訂版』(日経BP)、『残念な介護 楽になる介護』(日経プレミアシリーズ)、『私がお金で困らないためには今から何をすればいいですか?』(日本実業出版社)など著書多数。