食べ物の選択で健康を変えられる

あまりにもわかりにくいので食生活を変えるのはやめようと思っている人は、基本的な食べ物の選択で健康を変えられることが、何百もの研究で示されていることを覚えておいてください。

40年以上にわたって医学界のリーダーとして知られ、『Undo It! How Simple Lifestyle Changes Can Reverse Most Chronic Diseases』など、ニューヨークタイムズ紙のベストセラー6冊の著者であるディーン・オーニッシュ医学博士は、健康のために食生活を根本的に変えることを、次のようにまとめています。

「毎日の生活の中で、何を食べ、ストレスにどう対処し、どれだけ運動し、どれだけ愛情と親密さを持っているかといったシンプルな選択が、私たちの健康や幸福に大きな違いをもたらすことは信じがたいものですが、実際にはそうなのです。

33年以上にわたって私と同僚は、植物由来の食事や適度な運動、ヨガや瞑想めいそうなどのストレス対処法、そして愛を与え、受け取ることを学んできました。それにより冠状動脈性心疾患や早期前立腺がん、2型糖尿病、高血圧、肥満、うつ病、そのほかの慢性疾患などの進行をしばしば抑制できることを発見してきました」

加工されていない食品をそのまま食べる

がんと健康に関連する食事についての医学文献を精査した結果、私たちはいくつかの普遍的なアドバイスをすることができます。

ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』(プレジデント社)
ケリー・ターナー『がんが自然に治る10の習慣』(プレジデント社)

・植物由来の食事やケトン食、地中海食のどれが自分に合っているかにかかわらず、これらの食事法では、繊維が多く、野菜が豊富な、加工されていない食品をそのまま食べることを奨励しています(ケトン食では、特定の野菜のみが許可されています)。

・断続的に(夕食と朝食の間)、または月に数日、断食を試してみることを医療チームに相談してみてください。

食生活を変えることは、最初は大変だと思うかもしれませんが、私たちが最新の食生活のトレンドや研究結果を分析することで、このトピックに関する混乱が解消され、行動を起こすきっかけになれば幸いです。

食生活の変更は実際に実行可能で、あなたにもできることなのです。だからこそ、これががんの劇的寛解者たちにとって最初の一歩となっているのです。

※1.Wheless, J. W. “History and Origin of the Ketogenic Diet.” In: Epilepsy and the Ketogenic Diet, edited by C. E. Stafstrom and J. M. Rho, pp. 31–50. (Totowa, NJ: Humana Press, 2004).

※2.Bischoff, S. C., et al. “Intestinal permeability―a new target for disease prevention and therapy.” BMC Gastroenterology. 14, (November 18, 2014): 189. doi: 10.1186/s12876-014-0189-7.

※3.Winters, N., and J. H. Kelley. The Metabolic Approach to Cancer: Integrating Deep Nutrition, the Ketogenic Diet, and Nontoxic Bio-Individualized Therapies. (White River Junction, VT: Chelsea Green Publishing, 2017).

※4.Ibid.

※5.Tinkum, K. L., et al. “Fasting protects mice from lethal DNA damage by promoting small intestinal epithelial stem cell survival.” Proceedings of the National Academies of Sciences of the United States of America. 112, no. 51 (December 22, 2015): E7148– E7154. doi: 10.1073/pnas.1509249112.

※6.Lee, C., et al. “Fasting cycles retard growth of tumors and sensitize a range of cancer cell types to chemotherapy.” Science Translational Medicine. 4, no. 124 (March 7, 2012): 124ra27. doi: 10.1126/scitranslmed.3003293; Safdie, F. M., et al. “Fasting and cancer treatment in humans: a case series report.” Aging. 1, no. 12 (December 31, 2009): 988–1007. doi: 10.18632/aging.100114.

※7.Lee, C., et al. See note 42 above.

※8.Marinac, C. R., et al. “Prolonged Nightly Fasting and Breast Cancer Prognosis.” JAMA Oncology. 2, no. 8 (August 1, 2016): 1049–1055. doi: 10.1001/jamaoncol.2016.0164.

※9.Wei, M., et al. “Fasting-mimicking diet and markers/risk factors for aging, diabetes, cancer, and cardiovascular disease.” Science Translational Medicine. 9, no. 377 (February 15, 2017). doi: 10.1126/scitranslmed.aai8700.

※10.Ibid.

(翻訳=佐々木加奈子)
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