お茶を飲むと甘いものを食べたくなってしまう

体型が気になりはじめた人が注意したいのは、食事だけではありません。仕事や家事の合間にちょっと休憩したいとき、お茶、紅茶、コーヒーなどを飲むことがあるでしょう。実はここにも、太りやすくなる落とし穴が潜んでいます。

なぜなら、お茶などを飲むと、どうしても「甘いものをちょっとひと口」という気持ちが起きがちだからです。毎日続ければ確実に余分なカロリーを摂取し、体に脂肪を蓄えることになってしまいます。

ケーキと飲み物のイメージ
写真=iStock.com/Eva-Katalin
※写真はイメージです

だし汁は味覚を整えてやせやすくする

こうした誘惑に悩まされないために、私はお茶ではなく、だし汁を常備することをおすすめしています。

だしパックなどで普通にとっただし汁を容器に入れ、冷蔵庫に入れておくのです。

2〜3日は保存できます。冷凍庫で保存すれば、風味はやや落ちますが、もっと持ちます。

そして、何か飲みたいなと思ったら、お茶やコーヒーではなく、常備しているだし汁を飲むのです。

森由香子著『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)
森由香子『ダイエットしたい人のやせるキッチン』(青春出版社)

だし汁には旨みが出ているので、脳が満足感を感じ、食欲が抑えられます。実際、旨み成分であるグルタミン酸とイノシン酸が入っているスープを4日間飲んでもらったところ、満腹感を覚えやすくなり、昼食の摂取量が減ったという研究結果も報告されています(出典=Una Masic and Martin R Yeomans,“Umami flavor enhances appetite but also increases satiety”,American Journal of Clinical Nutrition 2014;100:532-8)

私が以前勤めていたクリニックの入院患者さんには、調味料を極力減らして濃くとっただし汁で作った汁物を飲んでもらっていました。皆さんだんだん味に慣れてきて、薄味でもおいしく感じるようになったとおっしゃっていました。濃い味が好きだとどうしてもごはんなどをたくさん食べがちなので、味覚を整えてやせやすくするという観点からも、だし汁を飲むのはおすすめです。

森 由香子(もり・ゆかこ)
管理栄養士

日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科人間生活科学専攻)修士課程修了。2005年より、東京・千代田区のクリニックにて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。また、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などを行う。抗加齢指導士の立場からは、“食事からのアンチエイジング”を提唱している。『おやつを食べてやせ体質に! 間食ダイエット』(文藝春秋)、『1週間「買い物リスト」ダイエット』(青春出版社)など著書多数。