50歳までにやっておくべきこと

ここまで確認すれば、ぼんやりしていた老後のお金がくっきりと見えて、「あと○万円くらいあると安心だ」ということになると思います。老後資金準備のための“見える化”の作業のポイントは、「ざっくり」でいいので、なるべく早く、できれば50歳までに行うことです。経済的な不安がなくなれば、働き方・趣味の楽しみ・住む場所といった、生き方や暮らし方の選択肢をグンと広げることができます。NISAとiDeCoのそれぞれの特性を生かして、両方とも利用するのが賢い老後資金準備の戦略と言えます。

大江 加代(おおえ・かよ)
確定拠出年金アナリスト

1967年愛知県生まれ。野村証券で一貫してサラリーマンの資産形成業務に携わり、2012年に独立。確定拠出年金の分野においてはわが国の草分け的存在で、厚生労働省社会保障審議会委員、および内閣官房「資産所得倍増分科会」構成員を務める。主な著書は『「サラリーマン女子」、定年後に備える』(日経BP)、『iDeCoのトリセツ』(ソシム)等。テレビやYouTubeでもiDeCoの専門家としてざまざまな番組やチャンネルでコメントをしている。