社内で理不尽な要求をされたときにはどうすればよいのか。人材育成コンサルタントの松崎久純さんは「違法なことが行われていれば、告発なりの対処をすべきだが、他のことであれば、どうにか乗り越えていく術を身に付けた方がよい」という――。

性被害を受けたJr.と同じ心境の会社員は多い

20代会社員の方からのご相談です――故・ジャニー喜多川氏の性加害問題が大きなニュースになりましたが、被害者だと訴える元Jr.の「断ると呼ばれなくなる」という話(*)が、印象に残りました。

というのは、私の勤務する民間企業でも、たとえば無償の残業を断ればどう扱われるか、わかったものではありませんし、違法行為ではないにしろ、飲み会への参加を強要されたり、「断ると立場が危うくなる」ことは多々あります。

理不尽に強要されることに甘んじる体質は、話題になった芸能プロダクションのそれと変わりないように思え、情けないです。会社勤めとは、こんなものでしょうか。

(*)「元Jr.長渡康二氏 ジャニー氏“性加害”で暗黙ルール『断ると呼ばれなくなる』」2023年10月4日 東スポWEB記事より 

社会人として働いていると、理不尽なことを強要されても、断りにくいことはあるものです。

残業や飲み会などは、その一例で、安易に断ったりすれば、その後どう扱われるのか。それが心配で、仕方なくしたがっている人も多いでしょう。

残業代が出ないなんて、そんなことあるのかと不思議に思う人もいるでしょうが、世の中には、支払われる残業代に上限があって、ただ働きになる時間があったり、まったく残業代が支払われないなど、不払い残業が当たり前の会社はごまんとあります。

そうした会社では、それに不満を抱く人は退職していき、残っている社員は、それについて話すのがタブーとなっているものです。

書類の山に伏せ、頭の上にも書類が積まれている男性
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
※写真はイメージです

TOEICを強制されることの理不尽

理不尽なことがあっても、それが次に紹介する程度のことなら、「勘弁してほしい」とは思っても、それほど悩んだりはしないはずです。

私の知り合いで、経理部長をしている人の話ですが、同じ経理部門の役員が、毎朝オフィスで雑巾がけをはじめたというのです。そうなると、その部下である自分が手伝いをしないわけにはいかない。

そこで毎朝ワイシャツの袖をまくり上げて、雑巾をしぼっているというのです。

それを見て、多くの部下が一斉に手伝おうとするのですが、君たちはやらなくていいと伝えて、自分だけが犠牲になっているとのこと。

部長職にある自分が、会社で朝から掃除などしている場合かと思うのですが、役員の老害を止める手立てがないそうです。

日々、身近で接する若い人たちが迷惑がっているのは、TOEICのような英語の試験を半強制的に受けさせられることです。

本人たちによれば、受験勉強のようなことをしても、英語でコミュニケーションを取る力がつくとは思えないのに、一定のスコアの取得が義務付けられる。受験対策などムダとしか思えないというのです。

逆に積極的に受験する人たちも多いようですが、試験でよい点数を取得することがゴールとなっている風潮には、疑問を持つ人も多いようです。