「大丈夫」の根拠も伝える

②上司が年下でもいいですか?

特にベンチャーやスタートアップでは若手が早く昇進する傾向が強く、中途入社者が自分よりも年下の上司の下で働くことになるケースが多数あります。

この質問では「年上のプライドがジャマしてコミュニケーション不良とならないか」「メンバーそれぞれの本質的な『役割』を尊重できるか」を確認しようとしています。

こんな答え方はNG

本音はどうであれ、おそらくほとんどの方が「大丈夫です」「かまいません」などと答えるのではないでしょうか。ただ、それだけで終えると面接担当者は「本当に大丈夫なのかな?」と不安を残すかもしれません。

納得されやすい答え方のポイント

「大丈夫」である根拠も伝えると面接担当者は安心するでしょう。これまで経験してきた環境の中で、「年下の人に従った」経験が実際にあることを伝えてはいかがでしょうか。それは職場での経験でも、趣味の活動などで「リーダーが年下だった」という経験でもかまいません。

【回答例】
「まったく問題ありません。前職でも、プロジェクトによっては後輩がリーダーを務め、私が指示に従って動くことも何度かありました。チームワークにおいては、個々の強みを生かして役割分担してこそ効果を最大化できるものと理解しております」
③その年次で管理職経験がないんですか?

この質問は、面接担当者によって意図が異なります。「単に事実情報として把握したい」というケースもあれば、「自社ではいずれ管理職を任せたいが、本人にその意向があるか確認したい」というケースもあるでしょう。管理職経験がないことを低く評価しているわけではなく、管理職としての活躍に期待し、キャリアへの志向性を確認しようとしている可能性があります。

こんな答え方はNG

「嫌味を言われている?」「マイナス評価されている?」などと受け取り、萎縮して「はい……」とだけ返事して終わらないようにしましょう。

納得されやすい答え方のポイント

まずは管理職を務めてこなかった理由や事情を正直に話しましょう。「女性社員が管理職になる例がほとんどない風土の会社だった」「スペシャリストを目指していたので管理職コースを選ばなかった」といった事情は納得されやすいと思います。

また、管理職に就いたことはなくても、チームリーダーやプロジェクトリーダー、後輩の育成などの経験があるなら、ぜひ伝えてください。そして、転職先企業で管理職に就く意向があれば、それも伝えるといいでしょう。

【回答例】
「企業風土として、男性が優先的に管理職に就く慣習があったのです。ただ、私は業務改善プロジェクトなどのリーダーとして、3~4人規模のチームのマネジメントを行ってきました。人材育成にも興味があるので、御社でも必要に応じてマネジメント業務を積極的に担っていきたいと考えています」
○と×
写真=iStock.com/takasuu
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