「使い回し」は秒殺
紙面版もWeb版もレジュメを作成するのは一苦労です。ただし、「コピペ」を駆使すれば効率的に作成できるので、筆者は強く推奨しています。
コピペは有効な方法ですが、1点だけ陥りやすい大きなワナがあります。
それは「使い回し」です。
たとえば同業他社に応募する際に、「志望動機」を「コピペ」して使ってしまうケース。
「貴社は業界でトップシェアを誇るリーディングカンパニーで~」と、業界3位の会社に送ると「使い回し」と見切られるということです。
特に応募会社の数が多くなってくると管理も煩雑になり、こういったミスを犯しやすくなります。
「使い回し」は、大目に見てくれない
筆者は、社会保険労務士(社労士)事務所を経営しています。
職員を募集すると、志望動機に「簿記3級の資格と会計の実務経験を活かして~」といった、税理士事務所の職員向けの内容が入っているものを送ってくる実務経験者が結構います。おそらく税理士事務所の職員になることを希望している人が、共通点や類似性があることから社労士の求人にも応募してくるのでしょう。
40代のベテランでもこういったミスを犯すのですから、若手は特に要注意です。
こうしたミスは、厳しいようですが、ただの怠慢です。送信する前に、応募する会社に合った内容になっているかをチェックすれば絶対に防げるミスです。
応募要件をクリアしているにもかかわらず、こうした単純なミスで秒殺されてしまうのは、あまりにももったいない。送信してしまったら取り消せません。事前に細心の注意を払うべきです。
「腹落ち」する内容でないとマイナス評価に
採用人事というのは疑い深いものです。
「腹落ち」、つまり心から納得するような内容でないと、マイナス評価や心証を悪くしてしまうことがあります。
たとえば志望動機。
と書いたとしましょう。これ、良い例でしょうか、それとも?
未経験でもOKな会社ならどこでも通用する内容ですね。
応募先の会社への思いが、まったく書かれていません。明らかに的外れというレベルではありませんが、「しょせん使い回しだろうな」と見られる危険性は高いです。
「志望動機」は要注意
職歴は原則、応募先の会社によって変えることはありません。なので「使い回し」になっても大丈夫です。
一方、志望動機は応募先の会社を意識し、それぞれにオリジナルの内容を書く必要があります。ついそこを怠り、秒殺される人が後を絶ちません。
「使い回し」と断定されたり推測されないよう、腹落ちする内容を書くことが必須だということを覚えておいてください。
NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。