目の切開で「前より醜くなった」と落ち込み身体醜形症に

結果にはそれなりに満足したものの(術前が50点とすると80点)、もとに戻ってしまうのが怖くて同じ医師のもとで切開法を受けます。すると、腫れが予想以上につづいたうえに二重の幅も広くなり、「前より醜くなった」と感じました。

セカンドオピニオンを求めたつぎの病院でもまた再手術を勧められ、二重の幅を狭くする手術を受けます。しかし実際に手術を受けてみると、今度は二重の幅が狭すぎてほとんど一重のように見え、またラインの食い込みも気になって悩むようになりました。

それが原因でダテ眼鏡がはずせなくなり、やがてはひとりで外出ができなくなってしまいました。整形が原因で、身体醜形症を発症してしまったのです。

スマホを見て悲しむ女性
写真=iStock.com/urbazon
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自分の能力が認められないため劣等感で不安に襲われる

繊細度を測るHSPセルフチェックをしてもらうと、アヤさんは23問中21項目に該当し、非常にセンシティブな気質であることがわかりました。レジリエンス指数テストでは、「感情調整力」と「自己効力感」がとくに低く、自分の能力が認められないために人と劣等比較しては不安に襲われ、感情をコントロールできずにいることが症状の背景に見てとれました。

まずは、レジリエンスを強めるために、すぐに自己否定してしまうネガティブな思考の仕方をポジティブなものに変換する練習をしていくことにしました。

彼女のような繊細な人には、マインドフルネス呼吸法もそれ自体にレジリエンスを強くする効果があります。

悩みを克服しようと思うとき、私たちは無理にその悩みを排除しようとしがちですが、悩みは悩みとして抱えたままでも、じつは前に進むことができます。「自分は醜いかもしれない」という悩みは、そのまま持っていても別にかまわないのです。

「そうか、今の私は悩みを抱えているな」と、その悩みを客観視し、顔を気にしている自分がいると「知っておく」ことが大切です。